• Suguru Murakami

カンボジアの高床式住居が教えてくれる「開く」と「つながる」


カンボジア、コンポントム州のサンボーという地域の村。海外研修のためにホームステイでたびたび訪れているのですが、そこでの暮らしの豊かさをいつも「羨ましいな」と感じます。


カンボジアの農村部の人たちは、高床式住居に暮らしています。 住人は、日中は床上の箱の中でよりも、オープンになっている床下のスペースで過ごしています。日陰で風通しがよいですし、ウッドデッキで作業をしたり、ハンモックに揺られたりして過ごしています。


この高床式住居の暮らしの何が素敵かというと、箱で隠れていない、床下の開いたスペースで生活をしているので、家の前を歩いていると、住人と顔を合わすことができ、気楽にコミュニケーションを生むことができるのです。


ご近所のおばちゃんがふらっと訪れ、デッキに座って会話を楽しんだり、自分の家で取れた野菜をお渡ししたり、会話のついでに他所さまの食事の準備まで一緒にしたりなんてことも起こります。




人だけではありません。みなさん庭でいろんな動物を飼っているのですが、調理のときの野菜くずをアヒルの親子が食べていると思ったら、実はそれはお隣さんちのアヒルだったり。垣根が緩やかだから、お隣の動物たちがやってくる。自分の家のニワトリも食べさせたいだろうにも関わらず…それでいいんですね。




私たち外国人に対しても同様です。知らないお宅を突然に訪問しても、まったく警戒感なく招き入れてくれます。クメール語しか通じないので言語でのコミュニケーションもできないのですが、デッキに座らせてくれ、「来てくれて、ありがとう」という笑顔でただ共にいてくれたり、食事まで振る舞ってくれたりもします。


「村の人たちは、なんでこんなにも開いていて、つながってくれるんだろう?」と心を揺さぶられます。




彼らの住環境は、とても緩やかな境界しかなく、開いている。それと同期するように、そこに暮らす人々の心も開いていて、つながりがある。


日本の都会に住んでいると、ご近所さんもわからない。壁に囲まれ、暮らしが見えません。心も警戒し、閉じていきます。たくさんの人が住んでいるのに、孤独を感じやすい。


村の高床式住居での暮らしは、「何を大切にしたいのかい?」と、私たちに問いを与えてくれます。



※このノートは、自由大学のこちらのコラム(https://freedom-univ.com/lecture-report/20290116/)用に制作した原稿を転載したものです。

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